山林火災
◇山林火災とは?
山林火災とは、山、森林、低木地帯などで不意に起こる、管理不可能な火事のことをいいます。落雷によっても起こりますが、ほとんどの場合は放火や火のついたタバコのポイ捨てなど、人為的原因によります。深刻な被害が出ないで済むこともありますが、山林火災の多くは生態系に大きな影響を与えるといわれています。
消防庁によると、日本では比較的に乾燥する春先、特に3月、4月に山林火災が起こりやすくなっています。世界でも、非常に乾燥している地域などは、山林火災の脅威にさらされている場合があります。他の自然災害と同様、地域特性を把握し、適切な対策を行うようにしてください。
火の三要素:山林火災、または家屋などの火災であっても火が燃えるためには、火の三要素とよばれる燃料、酸素、熱が必要です。この要素のうちのひとつでも取り除くことができれば、炎はコントロールすることができ、消化可能になります。しかし、乾燥した、暑い気候では山林火災の危険は高く、時と場所を選ばず、何の前触れもなく火災は起こり得ます。
◇山林火災から家を守る
多くの火災は、火の不始末により家屋内やその周辺で起こります。山林火災はその原因や恐ろしさを理解しない人々が、自然の中で不用意に火を使用することによって災害へと結びついています。
以下は家屋を山林火災から守るためのアドバイスです。
・屋根やトイは頻繁に掃除しましょう。屋根に登るための梯子も用意しておく必要があります。
・煙突がある場合は、少なくとも年に1回点検し、清掃するようにしてください。
・家の各階に、火災感知器を取り付け、毎月のテストと電池交換を怠らないようにしてください。
・家族全員が消火器の場所と使用方法を覚えておくようにしてください。
・火災の際に役立つ斧、のこぎり、すき(枯葉を取り除いたり、茂みを切り除いたりして、延焼を防ぐことに有益)や消火活動に必要なバケツを常備しておいてください。
もし、自宅が山林火災の影響を受ける恐れがある場合、時間が許す限り、次の手順を踏むようにしてください。
・屋内
– 外に通じる空間、窓、ドア、換気口などはすべて閉じてください。
– ガスの元栓を閉じてください。
– 暖炉がある場合には、通風調節弁は開けておき、遮熱ついたては閉じるようにしてください。
– 燃える恐れのある家具は部屋の中央に寄せてください。
– 各部屋の電気をつけ、外から見た際に自宅を見つけやすくしてください。
・屋外
– プロパンガスのタンクを閉めてください。
– 屋外の燃えやすい家具も室内中央に移動してください。
– 敷地全体に水をかけることのできる長いホースを用意し、屋外の水道につなげておきましょう。
– 燃料型発電機を準備しておきましょう。
– 家屋の屋根および外壁、そして、周辺の茂みに放水しておき、火が燃え移るのを防ぎましょう。
– 消火器、のこぎり、斧、すき、バケツなどを用意してください。
◇自分を守る
山や森林などでハイキングやキャンプをする場合は予期しない炎に備えて、適切な装備をして出かけることをお勧めします。下記のアドバイスを参考にしてください。
・事前にハイキングやキャンプをする場所についての知識を持っておいてください。
・火の使用についての制限がある場合には、必ず従ってください。
・タバコを吸う場合は後始末を確実に行ってください。
・キャンプをする場合は場所の選定と管理を慎重に行ってください。
– 焚き火の中から、火のついた木切れを取り出さないでください。
– 公共の土地での花火は絶対にしないでください。
– ランタンなどの火を可燃物から遠ざけてください。
– 着火用オイルや燃料の容器は安全な場所で管理してください。
– コンロやランタンなどは決してテントの中で使用しないでください。
– 焚き火やキャンプファイヤーの消火は、まず水をかけ、そして燃えかすをかき立て、さらにもう一度水をかけて、火が確実に消えたことを確認してください。
– 出発前に火が残ってないか再度確認してください。
◇避難方法
自宅に居る場合でも、避暑地などに滞在している場合でも、避難勧告が出たら、直ちにそれに従ってください。避難の際は下記のアドバイスを参考にしてください。
・長ズボン、シャツおよび丈夫で燃えにくい服を着用し、頑丈な靴を履いてください。
・戸締りを確認しましょう。
・近隣の住民から情報を入手してください。万一に備え、親戚や友人の家に身を寄せることができるように頼んでおきましょう。
・火の速度や方向に注意を払いながら、火から遠ざかるように進行してください。火によって進行方向が塞がれた場合、近くの湖や小川に向かってください。
・携帯用ラジオを持ち、避難情報などに注意してください。
・緊急サービスへの連絡や、他の人との連絡が取り合えるように携帯電話を所持してください。