女性の安全対策(総合)
◇通りを歩くときの注意
・急がず、しかしゆっくり過ぎず、堂々と自信をもって歩くことで、思わぬ攻撃による被害を避けることができます。頭を高く上げ、背筋を伸ばして安定した歩幅で歩いてください。
・新しい場所へ行く際、または今まで行ったことの無い地域を旅行するときは、事前に計画を立ててください。そうすることで、自信を持って行動することが出来ます。
・周囲の状況に注意してください。うつむいて歩かないでください。そのような姿勢は自信がないという印象を与えることから、犯罪の標的となる可能性があります。
・携帯電話は、人目につきにくく、いざというときすぐに取り出せる場所に所持してください。
・バッグは通りと反対側に持ち、可能な場合はカードと現金は別々に保管してください。万が一事件に巻き込まれても、所持品の全てを失くさずにすむ可能性が高まります。
・常にハンドバックを体に近いところに持ち、手にさげることは避けてください。そうすることで、引ったくりなどを未然に防ぐことに繋がります。
・ヒッチハイクはしないでください。また、見知らぬ人からの送迎なども承諾しないでください。
・近づいて来る車の確認が出来るよう、対向車側の歩道を歩いてください。車に後をつけられていると思う場合は、素早く向きを変え、反対方向に歩き始めてください。これによって自動車が追いかけることが難しくなります。
・高価な宝石や時計などは、窃盗または強盗の標的となる可能性があるため、他人の目に入らないようにしてください。着用しなければならない場合はスカーフ、手袋、または洋服の袖などでそれらの貴重品を覆ってください。
・後をつけられている気配を感じた場合は、道を横断してください。それでもつけられる場合は、賑わっている店または酒場など、大勢の人がいる場所へ避難してください。必要ならばその状況を誰かに伝えてください。
・笛、携帯用警報装置あるいは暴漢撃退スプレーを持つことによって、自信が高まります。また、いざというとき、周囲の注意をひくことができます。
◇被害に遭いやすい状況を避ける
・決して独り歩きはしないでください。
・事前に計画を立て、暗い場所や狭い通り、森林を通る近道などは避けてください。
・常に警戒し、一つの事に気を捕われないようにしてください。例えば、携帯電話での話や、鞄の中の何かを探すことに夢中になったり、歩きながら他の事に気を取られる事は、強盗にとって無用心に見え、格好の標的であるという印象を与えてしまいます。
・ヘッドホンをしていると、車の音や足音などが聞こえず、危険を察知出来なくなるので、使用は避けてください。
・攻撃を受けた女性の多数は長髪だったという調査結果が出ています。それは簡単に髪を掴むことが出来るためだと考えられます。長髪の場合は、髪を後ろで丸くまとめたり、もしくは帽子を着用することを考慮してください。
・出かけるときには、常にあなたの行き先やルート、帰宅予定時間などを誰かに伝えるようにしてください。
◇危険な地域
誘拐、または暴行等の被害が最も多く発生している場所は、スーパーマーケットの駐車場、会社の駐車場、車庫そして公共トイレなどです。そのような場所は加害者にとって、素早く邪魔されずに行動が出来る格好の場所です。
・トイレ内で注意すべきこと
意識して、常に警戒心を保ってください。トイレに入った際は、ドアや壁の下の隙間から盗られる可能性があるため、決して財布や高価なもの を床に置かないでください。もし見知らぬ人のグループが集まっていたり、トイレの周りにいる場合は、入らないでください。そして、他に使えるトイレが無いかどうか確認し、身体障害者用のトイレなどを利用してください。
・エレベーター
多くの女性は、エレベーター内で恐怖を感じ、また実際にエレベーター内で攻撃を受けたり脅されたりした場合には、なす術が無いと感じていることを認めています。標的となる可能性を軽減させるために、次のアドバイスに注意してください。エレベーターの中では出入り口付近の操作ボタンの側に立つことにより、危険を感じた場合に素早く行動することができます。もし見知らぬ人より威圧感を受けた場合には、その人の目をみて話しかけるようにすることで(時間の確認や、天気の話など)、相手のことを認識しやすくなることから、相手が攻撃をする可能性が少なくなります。そして、一番近くの階で降りてください。
・公衆電話
公衆電話を利用する際はダイヤルを回した後、周辺(特に後ろ)をよく確認してください。もし誰かが近づいてきて、恐怖心を感じたら、電話の相手に助けを求めてください。必要ならば、受話器を武器として使ってください。
◇野外での運動
・人気のない場所を歩く場合は、日中でもウォークマンなどは持ち歩かないでください。
・定期的にサイクリングやジョギングをする場合には、運動のルートや時間を変化させ、できれば運動は日中に行ってください。
・万一攻撃に遭った場合に、安全場所として逃げ込めるような店、ガソリンスタンド、友人の家などをあらかじめ確認しておいてください。そして、毎回これらを組み合わせて、コースを変化させるようにしてください。
・いつでも細心の注意を払い、素早く行動できるよう心がけてください。
・これまでに何も起こらなかったからといって、今後も起こらないと決め付けることは決してしないでください。
◇外出先での注意
・バーやクラブなどでは、自分の飲み物から目を離さないようにしてください。また、見知らぬ人からの食べ物や飲み物は受け取らないでください。睡眠薬などが含まれているケースがあり、被害を受けたときに無抵抗になります。
・初めて誰かと出かける場合は、外出先で待ち合わせをし、帰りはばらばらに帰るようにしてください。またはグループで出かけるか、もしくは人が集まるとわかっている場所へ出かけ、2人きりにならないようにしてください。
・直感を信じ、もし、一緒にいる人に不信感を感じた場合は、できるだけ早くその場を去ってください。また、職場や、住んでいる場所など、個人的な情報を教えたりすることは避けてください。
・誰かよく知らない人と出かける場合は、友人に携帯電話へ電話をかけてもらうことをお勧めします。早く帰りたい場合は、その電話を言い訳にその場を去ることができます。
・多量のアルコールの摂取は、通常通りの行動を困難とし、判断力を鈍らせることから、避けてください。
◇夜間外出時のアドバイス
・睡眠薬など薬物を使用したレイプや性的暴行などは年齢、性別に関係なく、誰にでも、どこでも起こり得ます。このような事件は世界中で増加しています。
◇自分の飲み物について
・自分の飲み物は自分で注文し、他人からの飲み物は受け取らないでください。
・飲み物を他人と共有しないでください。
・見知らぬ人がいる場所でアルコールを摂取することは、自分自身を様々な問題に巻き込まれる可能性に晒すということでもあります。常に自分の飲み物から目を離さないでください。
・注文した飲み物を店員が注ぐ際、目を離さず見ていてください。もしできれば、缶かボトルの飲み物を注文し、あなたの目の前で開けてもらうことをお勧めします。
・明らかに色や濃度が違ったり、変な味がすると感じた場合は飲まないでください。
・もしも眠気を感じたり、通常ではない感覚を感じた場合に備えて、1人では行動せず、いざというときに助けてくれる友人と一緒に行動してください。
◇友人への注意
・友人から目を離さないでください。
・友人が酔っていたり、体調が優れない場合や方向感覚を失っている様子が見られる場合などは特に離れず一緒にいてください。
・そして友人を安全な場所へ連れて行き、もし心配な場合は他の友人やバーのセキュリティ・スタッフなどに助けを求めてください。
・もし友人が意識を失って倒れた場合は、すぐに救急車を呼んでください。
◇帰宅時
・見知らぬ人の車には決して乗らないでください。
・他の友人よりも先に帰宅する際は、安全に帰宅したことを電話にて連絡することを友人に知らせてください。
・常に大通りを歩き、明るい場所を選んでください。
・タクシー運転手を不審に感じた場合は乗車しないでください。また、タクシーを利用する場合は後部座席に座ってください。
・独り歩きはせず、友人やグループと一緒に行動してください。
◇スリ、詐欺
以下は頻繁に使用されるスリの手口です。
・スリの1人が被害者の気づかないうちに肩に歯磨き粉を付け、鳥が糞を落としたと言ってその部分を指差し、被害者がそれに気を取られているうちに、もう1人が被害者の物を盗みます。
・優しそうな被害者を探して標的とし、子供達が新聞やダンボールを使用してその被害者を囲むことにより視界を防ぎ、その間に貴重品を盗みます。
・他に、犯罪に女性が関与する手口として、人形を使用するものがあります。人形を本物の赤ん坊のように抱き、突然大声で呼びかけ、被害者に向かってその人形を投げ動揺を煽り、その間に被害者の所持品を盗みます。抵抗しても無理やりバックをひったくろうとする犯罪者もいます。
・また、特に女性を標的とする手口としては、被害者の注意が他にそれている間にバックを切り、スリの仲間がビニール袋の中にその中身を詰め込むといった方法があります。
・長いスカートをはいた女性の路上物売りが、必要以上にうろうろと付きまとい、近づいてきて大声で話したり、たびたびパンフレットや商品を揺らしたりするなどの不自然な態度を取った場合は注意してください。子供が長いスカートの影に隠れ、何も知らない歩行者が通り過ぎる瞬間を狙ってスリを行います。