もし個人情報盗難の被害に遭ってしまったら
◇警察に通報
・事件発覚後、直ちに警察に通報する
・警察へは出来る限りの証拠書類および証拠物を提出してください。例:銀行の明細やクレジットカードの利用明細書など。また、警察への提出物はすべて控えを取っておいてください。
・警察に被害届けを提出し、控えをもらうようにしてください。
・警察署で対応した警察官の名前と連絡先を控えてください。これらの情報は、金融機関などがあなたの事件を確認する際に必要となる可能性があります。
◇金融機関へ連絡
・警察に通報した後、直ちに銀行などの金融機関へ連絡してください。
・金融機関に個人情報盗難の被害に遭っている状況を知らせ、あなたの名義で不正に口座が使用されていたり、ローンが組まれたりしていないか確認し、あなたの名義が今後使用された時は、連絡するよう要請してください。
◇信用調査機関
信用調査機関とは、加盟する金融機関や信販会社などを通じて個人の信用情報を収集し、情報の管理および提供を行っている機関です。信販会社は、これらの情報をもとに信用調査および審査を行っています。国内には複数の信用調査機関があり、それぞれ加盟する会員・団体などが異なります。これらの機関には、個人情報の開示のほか、個人情報の紛失および盗難による情報の悪用を防ぐための本人申告制度などがあります。
・個人信用情報の開示制度
各信用調査機関では、本人の要求によって、これらの機関に登録されている信用情報を開示する制度を設けています。これにより、クレジットなどの利用情報を確認することが可能なほか、情報内容に異議がある場合には、調査の依頼、情報の削除および訂正などを求めることができます。
・本人申告制度
運転免許証、パスポート、保険証などの身分証明書の紛失・盗難が発覚した際や、自分の名義を他人に悪用される恐れがある場合などに、これらの情報を本人申告情報として各機関に申告しておくことで、加盟する金融機関や信販会社などに、第三者によって個人情報が悪用される可能性があることを事前に伝えることができます。しかし、金融機関や信販会社などにより、加盟する信用調査機関が異なるうえ、信用調査機関の提供する情報は、あくまでも信用調査および審査の参考として利用されるのみで、最終的な判断は各金融機関などによって独自に行われます。そのため、本人申告制度は、必ずしも個人情報の悪用を阻止できるというものではありません。
信用情報の開示、および本人申告制度の利用については、各信用調査機関に直接お問い合わせください。日本国内の個人に関する信用情報機関としては、以下の5団体があります。
・全国信用情報センター連合会(全情連)http://www.fcbj.jp/:消費者金融専業者を主な会員とする全国33の個人信用情報機関の連合体
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)http://www.cic.co.jp/:経済産業省所管の社団法人日本クレジット産業協会と社団法人全国信販協会が母体の信用情報機関。各クレジットカード発行企業、信用保証会社、自動車や機械等のローン・リース会社、小売店、および一部の大手消費者金融会社が加盟
・全国銀行個人信用情報センターhttp://www.zenginkyo.or.jp/pcic/:全銀協(国内で活動する銀行、銀行持株会社および各地の銀行協会を会員とする組織)が運営する信用調査機関
株式会社シーシービー(CCB)http://www.ccbinc.co.jp/:金融機関、消費者金融、クレジット、リース業界などの全業種が加盟できる個人信用情報機関
株式会社テラネット(Tera net)http://www.teranet-corp.co.jp/:全情連グループの傘下で、クレジット業者およびローン会社を主な会員として情報収集を行う機関
◇重要文書の紛失、盗難に関する連絡先
個人情報を含む重要文書の紛失、盗難の際は、ただちに警察および該当機関に連絡するようにしてください。また、第三者による個人情報の悪用、身に覚えのない犯罪履歴が発覚した場合は、ただちに警察に連絡してください。
・戸籍謄本、住民票、死亡証明書、婚姻届-最寄の区役所、市役所
・パスポート-各都道府県のパスポートセンター
・運転免許証-公安委員会、各都道府県の免許更新センター
・納税証明書-税務署、国税局
・国民健康保険証-健康保険組合、社会保険事務所
◇クレジットカードの紛失・盗難
クレジットカードの紛失、盗難に遭った場合、第三者により個人情報が悪用される可能性があるため早急な対処が必要となります。たいていのクレジットカードには緊急時の現金立て替えなどのサービスが含まれていますが、各種カードを契約する際は保険など付帯サービスの詳細を確認するようにしてください。紛失や盗難から24時間以内に該当機関に連絡すれば、たいていの被害は免れることができます。日ごろから、使用しているクレジットカード会社の情報保護に関するポリシーをチェックしておくことをお勧めします。
◇調査過程の記録
・個人情報窃盗の被害に遭った場合、長期にわたる調査や手続きなどが必要となります。警察や金融機関などとのやりとりにおいては、その都度日時、担当者の名前、電話番号などを記録しておくようにしてください。
・電話での会話も文書化しておくようにしてください。作成した文書は必ずコピーを取り、郵送する場合は書留を使用するようにしてください。
・クレジットカードおよび銀行の明細などは重要な証拠となりますので、必ず保管しておくようにしてください。
・被害状況の調査にかかった時間と費用を記録しておくようにしてください、犯人逮捕後、裁判で賠償金の請求を行う際に重要な書類となります。
◇不当な支払い請求が届いた場合
・身に覚えのない支払い請求が届いた場合、請求先の会社名、住所、電話番号、担当者などを確認してください。
・請求先に自分は個人情報盗難の被害者であることを伝え、あなたには支払い義務がないことを説明してください。
・カードが使用された場所、日付、使用金額、口座番号などを確認し、請求先に文書で状況説明をするようにしてください。すべての状況が確認された後、あなたに支払い義務がないこと、口座はすでに閉鎖されていることを確認する旨を示した文書の返信を請求してください。
・その他、問題が生じた場合には国民生活センターhttp://www.kokusen.go.jp/に 相談することをお勧めします。