女性の安全対策(交通機関)
世界中どこでも、旅行の際に直面する可能性のある危険には、性別によって顕著な違いが見受けられます。女性が安全に公共交通機関を使用する場合、そこに存在する危険を理解し、細心の注意を払うよう心がけることが必要です。
◇一般的な注意事項
・夜間に交通機関を待つ際は、電灯の灯った明るい場所を選択してください。
・望まない誘いを避けるため、目立つ服装をしなことが賢明です。その国や地域の文化に合った適切な衣服を着用してください。ブラウン系の色や保守的な服装をすることで、目立つことを避け、周囲と調和することができます。
・特に公共交通機関を利用して出歩く場合は、小額のお札やコインを取り出しやすいようにポケットに入れておくことをお勧めします。出かける際は、クレジットカード1枚、パスポートなどの重要書類のコピー、その日に必要な現金のみを持ち歩きましょう。
・旅行中にバスや電車で何か問題が起きた時は、すぐに運転手か警備員に知らせてください。
◇バスでの安全対策
・利用する路線の時刻表を入手しておきましょう。
・人通りの少ない停留場でバスを待つことは避けてください。
・夜間は明るい場所でバスを待つようにしてください。
・女性乗客の隣、または運転手のすぐ後ろの座席に座るようにしましょう。
・電車やバスの車内では窓側の席を避け、通路側に座ることをお勧めします。通路側の席では、隣の乗客から不愉快な行為を受けた場合、すぐに逃げ出すことが可能です。
・騒々しいグループが乗車し、不快感を感じるような行動を取った場合は、次のバス停で降り、他のバスに乗り換えることも考慮しましょう。
・危険や不安を感じた場合は、すぐに運転手へ知らせてください。
◇電車と地下鉄での安全対策
・無用な待ち時間を避けるため、時刻表をあらかじめ確認しておきましょう。
・一部の国の都市部では、駅員の目が十分に届く特別な待合室や女性客専用の出入り口を案内してくれる安全な地下鉄があります。
・列車が通り過ぎる際の風圧でバランスを崩すことがあるため、ホームの縁から離れた所に立つようにしましょう。
・スリに遭う危険を最小限に抑えるため、駅構内で財布を出す必要がないよう、乗車賃をあらかじめ手に持っておきましょう。
・線路から離れた明るい場所で列車を待つようにしてください。
・だれもいない車両は避け、車掌のいる車両に座るようにしましょう。
・可能であれば、目的地の駅の出口付近に停車する車両を選択しましょう。
・同じ車両に乗車した乗客が好ましくない態度を取り、危険を感じた場合は、すぐに隣の車両に移動してください。
・最終列車の利用は避けるようにしましょう。
・夜間に列車を利用する場合は、目的地の駅で迎えてくれるように、あらかじめ誰かに頼んでおきましょう。
・危険や不安を感じた場合は、すぐにホームや車内に備えられている非常警報器を鳴らしてください。
◇タクシーでの安全対策
一般的注意
・走行しているタクシーを止めて乗車することは避けましょう。
・タクシーを予約して利用すると、不当な料金を請求されたなど問題が起きた場合、運転手を後から探し出すことが可能です。
・タクシーを利用する際、定評のある会社のタクシー、または空港の案内所やホテルのフロントで紹介してもらったタクシーを利用することをお勧めします。タクシー会社の電話番号を携帯すると、後で必要となった際に便利です。
・タクシーの予約時は名前、住所を知らせると共に、運転手の名前を聞いておきましょう。タクシーが到着した際、運転手の名前を確認することで、依頼したタクシーであることを確かめることができます。
・乗車中、運転手に疑念を抱いた場合は、運転手の名前と車の登録番号を書き留めておいてください。運転手を通報するのに役立ちます。また、登録番号を尋ねることが運転手への警告となり、わざと遠回りをするなどの行動を事前に防ぐことができます。
・単独でタクシーに乗る際は運転席のすぐ後ろの座席に座ってください。
・到着時、そこが正しい目的地であることを確かめてからタクシーを降りるようにしましょう。運転手を疑わしく思った場合は、携帯電話でタクシーのナンバーや運転手の詳細、予定の到着時間を電話の相手に伝えるふりをしてください。またその際、電話の相手に到着場所で待っていてもらうよう依頼するのも効果的です。
・先客の乗ったタクシーには決して乗り込まないでください。無認可のタクシー運転手とその仲間が乗車するように誘い、乗客から現金や貴重品を強奪する手口や、ATMなどから現金を引き出させることを目的とした、特急誘拐と呼ばれる短期拘束型の誘拐が報告されています。
・目的地に到着した際、自分が屋内に入るまで見届けてくれるよう運転手に頼みましょう。
旅行中のタクシー利用に際する注意
・宿泊するホテルの名刺を常に携帯するようにしてください。タクシー利用の際、言葉が通じなくても、名刺を見せることで、目的地を運転手に伝えることができます。
・特に単独や女性だけのグループで旅行をする際は、女性のタクシー運転手を依頼することも考慮してください。
・タクシーのトランクに荷物を入れることは避け、必要に応じて素早く外に運び出せるよう後部座席に持ち込むことをお勧めします。