インターネットと子供
特にインターネットの危険性に関して正確な教育を受けていない、または情報が与えられていない未成年者が犯罪に巻き込まれる危険性が高くなっています。性犯罪者は頻繁にチャットルームに参加し、子どもたちの個人情報を引き出そうと狙っています。そういった犯罪者に対し子供たちは非常に脆弱です。多くの子供たちもまた、親の監視外で意識的または無意識的に年齢や性別を偽り、大人のインターネット利用者と接触しています。
未成年者の中には自らを危険な状況に陥れていることに気がつかないまま、インターネットでチャットをした相手に会う約束をする者もいます。多数の性犯罪者は未成年者が利用するチャットルームに頻繁に参加し、子供に旅行やプレゼントの約束をすることにより、未成年者を誘い込むと言われています。そして、子供と会い、信頼関係が築かれた時に、虐待が始まります。
◇未成年者の安全なインターネット利用を実現するために
インターネット利用者の多くは十代の子供たちで、チャットルームを利用したがる子供が多くいます。子供のインターネットの利用を制限するのではなく、興味深いサイトやオンラインで会った面白い人などの話を共有するように働きかけたり、インターネットを利用できる特定の時間帯などを設定することなどは良い方法です。もしくは、子供がインターネットを利用する際に、毎回許可を仰ぐようにするのもひとつの方法です。
専門家は、子供がコンピュータを利用する際は、保護者の目が常に届き、家族がよく集まる場所にコンピュータを設置することを勧めています。このような開放的な場所でのコンピュータ利用は、子供が今何をしているかを話しやすくし、また何か問題が生じた際、簡単に助けを求めることが可能な環境を作り出します。しかし、子供が長時間コンピュータを利用することが習慣になると、徐々に屋内に引きこもりがちになるので注意が必要です。このような環境は、秘密裏に何かをさせてしまう事があります。
猥褻なスパムメール(不特定多数に送信する広告メール)が送信されてくることがよくあります。子どもがこのようなメールを開かないようにするため、保護者は2つのアドレスを使用するとよいでしょう。ひとつは友人とのメールのやりとりに使う個人アドレス、もうひとつは情報入力の際などに必要となるアドレスです。通常スパムメールは情報入力のために使用したアドレスに送られてきます。不必要と思われるメールは事前に削除するようにしてください。スパムメール元へアドレス削除の依頼をしないようにしてください。返信する事により、アドレスが使用中であることを知られ、より多くのスパムメールを受信することになりかねません。
ペアレンタル・コントロール・ソフトウェア(未成年者に悪影響を与えるホームページへのアクセスを保護者の判断で制限できる機能を備えたソフトウェア)は特定の写真や文を載せたウェブサイトを省く事は可能ですが、これらは価格が高い割には精度が悪く、必要なサイトへのアクセスまでを制限してしまう可能性があります。
インターネットの向こうには人がいることを意識させましょう。インターネットだからと言って「相手を思いやること」を忘れてはいけません。たとえインターネットであっても、「自分がされて嫌だと感じることは、自分も他の人にしない」という意識を持たせるようにして下さい。
インターネット上の交流は、文字を介して行われる形が主流です。そして、声や顔の表情が伝わらないことから、些細なことで誤解が生じる可能性もあります。そのことに留意しないでコミュニケーションを取ると、相手に失礼なメールを送ったり、チャットなどで喧嘩の原因になることもあるので、そのことを認識させましょう。
◇各種サービスを利用する前に
子供がメールアカウントを設定したりチャットルームに入る、または何かを購入したい時、氏名や住所、電話番号などの個人情報を入力する場合が多くあります。そのようなサービスを利用する際は、必ず保護者の許可を得るように話しておきましょう。その会社が個人情報をどのように利用するかを調べ、またはもし個人情報を守る事ができる選択肢があれば、それを選択するようにしましょう。
個人情報を与えない限り、その情報がいくつかの会社でやり取りされ、スパムメールが大量送信されたりすることはないでしょう。入力フォームを確認し、個人情報が他社に回されないよう選択する箇所があるかどうかよく調べてください。
◇チャットルームは子供にとって危険か
チャット・ルームは子供にとって、違う国籍や様々な異なった文化を持つ子供たちと交流が出来る素晴らしい場所です。しかし、保護者の方はチャット・ルームが同時に持つ危険性を子供に理解させなければいけません。チャットルームを利用するのは子供だけではないため、注意が必要です。
◇チャット・ルームについてのアドバイス
チャット・ルームの中にはサインインする度に、個人情報を入力するように要求する場所があります。個人情報は最小限の入力に留め、出来ればニックネームを使用し、好ましくない相手に出会った場合でも連絡ができないように防御しましょう。
インターネット上で自分を詐称することがどれ程危険であるかを子供に十分説明し、理解させることは難しいことです。しかし、年齢や性別を詐称することにより好ましくない状況に陥ったり、危険なチャット・ルームへと侵入してしまう場合があることを教え、インターネットが持つ危険性を認識させてください。
子供がインスタント・メッセージを利用する際に、「仲間リスト」(自分とチャットが出来る人物を制限する機能)を使用させるようにしましょう。
◇未成年者のためのインターネット安全使用ガイドライン
下記アドバイスは、使用者自身も読むことをお勧めします。
・自分の本名、メールアドレス、住所、電話番号、パスワードなどは絶対に漏洩しないようにしてください。そういった個人情報は、インターネットを使用する変質者などに利用される恐れがあります。
・チャットしている相手の真の年齢は確認できません。それが若者向けのチャット・ルームであったとしても、変質者はそのような場に現れることもあるので、警戒するようにしてください。もし危険を感じたならば、いち早くそのチャット・ルームを退出して、保護者に知らせてください。
・不快で挑発的なメッセージが届いた場合は、返信せず保護者に知らせましょう。嫌がらせを受けていると感じたメールは証拠として保存してください。いくつかのチャット・ルームにはそういった機能が付いていますので、確認してください。
・メールの添付ファイルは相手が信用できる人物ではない限り、開かないでください。ウイルスが添付されている事があり、コンピューターが故障する恐れがあります。
・保護者が同伴しない限り、チャットで知り合った人に会いに行かないでください。メールやチャットで知り合った人は、必ずしもイメージ通りの人ではありません。
・パスワードには家族やペットの名前を使わないでください。簡単に分かってしまいます。色々な文字や数字を組み合わせるようにしましょう。
・自分自身の写真や保護者のクレジット・カード番号、口座番号など、保護者の許可無しで送ってはいけません。
・パスワードは絶対に秘密にし、親しい友人にも教えてはいけません。
・もし「親に言ってはいけない」と言うメールが来たら、返信せずに保護者に直ぐ伝えましょう。
・猥褻な映像や文章が送られてきた場合には、保護者に速やかに伝えてください。警察に報告することをお勧めします。