所持品に印をつける
盗難品を取り戻すことは容易ではありません。しかし、所持品に印をつけておくことにより、品物が戻ってくる確率が高くなり、警察の捜査にも役立ちます。イギリスでは、毎年数千ポンドにも値する盗難品が警察により発見されているものの、持ち主が判明しないため、返還されないままになっています。
◇印をつける所持品を選ぶ
基本的な考え方として、盗む価値があると判断できるものは、全て印を付けてください。車庫を含む家の中を歩き回り、失いたくない大切なもの、同じものを手に入れるのが困難であるか、または高価であるものを考えてください。印をつけるものは例として、電子機器、家具、芸術品、アンティーク品、貴金属などが挙げられます。
◇所持品に印をつける方法
正しく印をつける方法は数種類あります。
・特定の番号を品物に彫る
この方法は電化製品などに有効ですが、価値を下げる可能性があるため、高価なものやアンティーク品にはお勧めできません。番号は郵便番号や家の番地などをが役立ちますが、これらの番号は引越した場合、変わってしまうので注意してください。
・UVペンで特定の番号を書く
UVペンは透明で、UVライトを当てない限り読むことができません。目に見えないため高価な物などに使えますが、UVが褪せてしまうため、1年に1度は書き直す必要があります。
・金槌でへこみをつけておく
この方法は、芝刈り機、エンジンや自転車などの頑丈な素材のものに限られ、アルミ製のものには適しません。
・セラミックマーカーで書く
ガラスや磁器などには、陶器の絵付けなどに使用するセラミックマーカーが使用できます。一度書いてしまうと二度と消えませんが、品物に傷をつけずに済みます。
・スマートウォーターの使用
スマートウォーターは識別情報が組み込まれた微粒子を含む特別な液体で、僅かな量でも塗布されていれば、判別が可能です。乾いた状態では塗布されていることを見分けるのは実質的に不可能で、UVペンと同じく、UVライトに照らされた時に判別が可能です。
・他の比較的新しい方法
情報が埋め込まれた、砂粒ほどの粒子を無数に貼り付けるマイクロドット、鉛筆の芯ほどの大きさのICチップに個別情報を記憶させ、埋め込むというマイクロチップなどがあります。
◇その他の方法
・宝石などは写真に撮っておき、色などが分かり易いように背景の色に気を配ってください。また、定規などを隣に置けば大きさも記録できます。
・芸術品であれば、正確な大きさ、絵の下地素材、作品を制作した芸術家の名前など、特徴を記録しておいてください。
・テレビ、DVD、パソコンなどは製造番号を控えておいてください。警察が窃盗品を発見した場合に、あなたの所持品であるとの証拠になります。
・「盗難防止装置装備車」や、「盗難防止装置付」などの警告ステッカーを貼ることで、盗難の危険を減少させることも可能です。
・欧米諸国に滞在する場合、ネイバーフッド・ウオッチ(地域住民による監視プログラム)のような組織への参加を考慮してください。欧米では、ネイバーフッド・ウォッチ・プログラムの行われている地域では現地で契約する保険料が低めに設定されています。