不法侵入
眠りから目覚めた際や帰宅時に、家の中で侵入者を発見することは、最も恐ろしいことです。この様な事態において、家族と自分自身へのリスクを最小限に抑えるため、できる限り慎重な行動をとることが大切です。
◇帰宅時
帰宅時には周辺に注意を払い、不審なことはないか確認してください。また家に入る前に家の中を確認する癖をつけましょう。もし侵入者のいる気配を感じたら家の中には入らず、すぐに警察へ通報しましょう。中に入って確認したい衝動に駆られても、警察の協力なしでは何も始まりません。
強盗に侵入されているのが明らかであれば、彼らが様々な家庭用品、窓、ドアノブ、ドア枠に至るまで指紋を残している可能性がありますので、周囲に触らないようにしてください。
たとえ家の中が荒らされ、乱雑になっていたとしても、警察の調査が終了するまでは物を片付けたりしないでください。
◇あなたの家の中で侵入者を発見したら?
もしあなたが家の中にいるときに物音を聞いたら、侵入者がいる可能性がありますので、その場合は一人で解決するような行動は決して取らないでください。侵入者はあなたの命よりも財産を狙っているということを忘れないでください。
・侵入者に出くわしても、立ち向かったりしないでください。彼らが窮地に追い詰められた際、あなたに危害を加えかねません。侵入者のいる場所から離れて、彼らの視界の届かない場所へ避難してください。あなたの寝室に電話があったら、そこから直ちに警察に電話をするか緊急アラームなどがあれば鳴らしてください。
・トイレの水を流す音や咳、もしくはドアを思い切り閉めるなどの物音によって侵入者を怖がらせることができるかもしれません。
・もしあなたが家から外へ逃げ出すことができたら、すぐに助けを求めましょう。もし外部へ逃げることができず、家から出られない場合は安全な場所を見つけ避難し、部屋に鍵を掛けそこから警察へ連絡をするか、もしくは近所の家、通りがかりの人が異変に気づくような行動を起こしてください。
・あなたの配偶者、友人の緊急連絡先を常に携帯するようにしてください。
◇侵入者に直面したとき
突然家の中で侵入者に出くわしても、冷静になるよう努めてください。侵入者もあなたと同じくらい驚いているかもしれません。出口の間に立って、侵入者の進行を妨げるようなことはしないでください。何よりも大切なことは命を守ることであり、侵入者を取り押さえることではありません。
・侵入者に出くわしたとき、とても恐ろしく感じるか、または侵入者に対して敵対心を持つかもしれません。泣いたり、騒ぎ立てたりする行為は人間として自然なリアクションですが、それが彼らを煽り、危害を加えかねないため、なるべく冷静になるように努めてください。
・侵入者に対して冷静な態度で接し、侵入者が欲しい物、望んでいるものはすべて渡すと交渉してみることもひとつの手であると警察は勧めています。
・すべての侵入者が危害を加えるイメージがありますが、彼らも人相を知られないよう必死に逃げようとするかもしれません。その際、侵入者を妨げるようなことはしないでください。
・突然行動を起こしたりせず、常に両手を挙げ、侵入者に何も持っていないことを確認させてください。また、侵入者との間に距離を置くよう心がけてください。
・侵入者の前で行動を起こすときは、これから何をするか侵入者に伝えてください。たとえば、座りたい場合、その意思を伝えてください。
・侵入者に触れるなどの行為は避けてください。もしそれが避けられない場合は、受身の姿勢を取ってください。
・侵入者の意向は受け入れ、指示に従うように心掛けてください。あなたの言動、行動には十分に気を付け、抵抗せず、貴重品などの高価な物も諦めてください。
・侵入者にはいつもと変わらず落ち着いた態度で接してください。決して叫んだり、手をむやみに動かしたりせず、相手を挑発する態度をとらないよう気を付けてください。それらの態度はただ彼らを煽り怒らせるだけです。また、暴行などを加えられた場合以外は、侵入者に決して嘆願しないでください。
・侵入者に対して威嚇するような態度は決して取らないでください。もし、攻撃する姿勢を見せ、それが侵入者に恐怖を与えたら、逆にあなたの身が危険にさらされるでしょう。特に侵入者が凶器を持っている場合は警戒してください。侵入者が凶器を持っていない場合は、凶器となり得るナイフなどがある台所へは近づかせないようにしてください。
・まずは自分自身を守ることを優先してください。侵入者に過剰にケガを与え、逆に訴えられるという話もありますが、自分または家族に危険が急迫した場合、生命身体などを守るために実力を行使することは正当防衛とみなされます。しかし、自分や家族、財産を守るために、必要以上の凶器や暴力を使ってよいというわけではありません。
・侵入者の外見、特徴を注意深くチェックし、覚えておいておくようにしてください。例えば身振り、身体の傷、また話し方、言葉づかいなど些細なことでも逮捕に繋がる手がかりのひとつになります。
◇侵入者が去った後
・もし侵入者が逃げようとしたら、進路を塞がず、後を追わないようにしてください。
・侵入者が去った後、安全を確認してから直ぐに警察へ連絡し、必要ならば医療援助を求めてください。
・あなたの家族が負傷していないかどうかを確認し、動揺していたら安心させてください。
・警察が到着するまでの間、指紋や足跡が残っているかもしれないので、侵入者が触れた可能性がある物を触らないでください。もし彼らがケガをしていて血跡を残していたら、警察によってDNA鑑定に使用されますので、ふき取らないでください。