ごみを安全に管理するには
職場や住宅地のゴミ箱は、個人情報を盗み出すのに絶好の場所であると言われています。ゴミ箱をあさるという行為自体は、イギリスではbin raidingアメリカではdumpster divingと呼ばれており、違法行為として摘発されないことがほとんどです。この種の犯罪は都市部と地方の両方で増加傾向にあり、各自治体も深刻な問題であるとしています。実際、たいていの人はごみの処分に何の注意も払っていないという事実も報告されています。
最近英国ノッティンガムでに行われた調査では、住宅地のゴミ箱の86パーセントに重要な個人情報を含む文書が捨てられていたことが分かっています。その内訳は、名前、住所が含まれていたものが 72パーセント、クレジットカード、デビットカードの番号が含まれていたものが 20パーセント(多い地域では40パーセント)、銀行の口座番号、支店番号が含まれていたものが 20パーセント(多い地域では27パーセント)となっています。さらに、署名入りの銀行小切手、未使用の小切手がそれぞれ1カ所のゴミ箱で発見されています。最も最悪のケースでは、ある個人の名前、誕生日、住所、銀行の口座番号と支店番号、公共用金の請求書、年金手帳、記入済みのパスポート申請用紙 がすべて一緒に捨てられていました。また、8パーセントの家庭が重要文書の処分に注意をはらっていると回答していますが、確実に実行に移しているのはその8分の1にすぎないことが分かっています。
個人情報を保護するためには、個人で管理意識をしっかり持つことが重要です。盗まれた個人情報は、電話やオンライン、郵便を通じた商品の注文、銀行の明細などの郵送先の変更に悪用されています。カードを物理的に介在しないこの種の犯罪は、「カード不介在詐欺」として知られています。
重要文書を安全に処分するためには、以下の点に注意してください。
・シュレッダーを購入し、使用することをお勧めします。
・個人の名前や住所、口座番号、電話番号、公共料金の明細、パスポート、運転免許番号、封筒やレターヘッド、ダイレクトメールなど、個人情報が含まれているものはすべてシュレッダーを使用するなどして確実に処分してください。
・期限切れのクレジットカードやデビッドカードは、はさみで細かく切り裂くなど修復が不可能な状態にして処分してください。さらに、自宅と職場など数カ所に分けて捨てるようにしてください。
・銀行の明細やレシートなどをメモ用紙として使用することは避けてください。これらは、必要でなくなったらシュレッダーにかけるか燃やすなどしてすぐに処分してください。
・引越しをした場合、旧住所に送られてきた郵便が新居住者に捨てられてしまう可能性があります。郵便局に転送届を提出し、必ず新住所に転送されるよう手続きをとってください。
・自分自身で注意していても、知らないところで個人情報が流出している可能性があります。個人情報への法的アクセスが可能とされる機関(弁護士、会計士、かかりつけの病院など)に、あなたの個人情報を含んだ重要書類の廃棄が責任をもって行われているかを確認するようにしてください。