悪条件下での運転
世界各地の異なる気象条件下では、悪条件の中で運転をしなければならない場合があります。下記のアドバイス参考にすることで、事故に遭う危険性を軽減させることができます。
◇雪道、道路凍結時の運転
冬の間は、居住地域、旅行先の気象情報を常に確認することをお勧めします。降雪の中や雪で凍結した道路を運転する場合は、通常よりスピードを落として走行する必要があります。そのため、早めに出発するか、もしくは遅れて到着することを考慮してください。
可能であれば、夜間の走行は避けるようにしてください。昼間は視界がよいだけではなく、何か問題が起きた際に救助を求めることが容易にできます。出発前に、目的地、道順、出発および到着予定時間を必ず誰かに知らせておいてください。
滑りやすくなっていることを予想し、スピードを落として、道路状況に合わせた走行をしてください。高速での運転はもちろん、低速過ぎる運転も悪天候では危険になります。雪の中を運転中、特に勾配のあるところでは車を止めないようにしてください。
悪天候での走行は運転者の視界を狭め、また対向車からも見えにくくなるため、必ずライトをつけることが重要です。
・悪天候での運転は体力を消耗します。長距離を運転する場合は、ドライブインなどで十分に休憩を取るようにしてください。
・出発前に、窓、ボンネット、屋根、ヘッドライト、ブレーキライトから雪、氷を取り払っておきましょう。
・整備されていることを確認してください。ヒーター、霜取り、ブレーキが作動するかチェックしてください。ワイパーのタンクを不凍液で満たしておくことも不可欠です。
・ワイパーが正常に作動するか確認し、窓が曇らないように曇取りを使用するか、布で拭くようにしてください。また、雪かきの道具を常備しておくようにしてください。
・冬場は、常にガソリンをタンクの半分以上に保ってください。これは、ガソリンの重みで車両の駆動力が向上するだけでなく、燃料系統に影響を与える湿気を減らす役割があります。
・発進の際に、タイヤが空回りするのを防ぐには2速を使用して、アクセルを徐々に踏み込んでください。
・雪が予想されている気象状況下では、主要道路を運転してください。脇道を走行して、雪で身動きが取れなくなってしまった場合、救助を得られるまでに時間がかかる恐れがあります。
・路面の凍結に注意してください。橋、高架下など影になっている場所は、凍結しやすいので注意してください。
・車間距離を十分に保ってください。冬季は通常の2倍の車間距離を取ることをお勧めします。対応する時間を多く持つことで、目前の事故を回避することができます。
・カーブ、もしくは交差点に差しかかったら、十分に減速すると共に、早めにウインカーを出し、後ろの車へ次の行動を知らせましょう。曲がっている最中に急ブレーキをかけるとコントロールを失うことを念頭におき、また乱暴なハンドル操作も避けてください。
・橋や高路交差では路面が凍結していることがあるので注意してください。滑りやすい勾配では低速ギアで走行してください。エンジンブレーキによって車を制御することができます。登り坂で一時停止、発進するのは容易ではありません。そのため、坂の途中で対抗車が来た場合は、登りの車に道を譲りましょう。
・路面状況が悪い際の追い越しは避けてください。どうしても必要な場合は、十分な距離が前方と横にあることを確認してから行ってください。
・悪天候で運転する際は、他の運転手から見えるようにヘッドライトを点灯してください。激しい雪の中では、ロービームのヘッドライトがより有効です。
・雪の中で身動きが取れなくなったり、車が故障した場合は、緊急装備が役に立ちます。車を動かせない場合は、車の中に留まり、寒さをしのぎながら救助を待つこ とです。暖房をつけるためにエンジンを時折かけてください。停車している車の中では、一酸化炭素がたまりやすいのため、注意が必要です。必ず排気ガスが排出されていることを確認してください。
◇雨天時の運転
・路上のオイルや泥が雨水と混ざることで、路面が滑りやすくなります。滑りやすい路面では、車のコントロールに通常以上の時間がかかるため、早めに対応する必要があります。車間距離を十分にとり、交差点やカーブでは十分注意してください。
・滑りやすい路面状況では、4秒以上の車間距離をとってください。
・濡れた路面を高速で走行すると、ハイドロプレーニング現象を起こす場合があります。ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水膜ができ、タイヤが路面に接触せずに走行している状態を指し、大変危険です。この現象が起きた場合は、横滑りを避けるため、アクセルを離すことで減速し、ハンドルをまっすぐに保ってください。ブレーキは絶対にかけないでください。
・ヘッドライトをつけ、窓やフロントガラスの曇りを取り除いてください。
・道路の水かさが高くなった場合は、エンジンの回転数を高めに保ち、低速で走行してください。これによって、エンジン部分や前輪にエアポケットができ、水がエンジンに浸入するのを防ぐことができます。タイヤの高さ以上に水かさがある場所は、運転を避けてください。洪水状態の道路を運転した後はブレーキを点検してください。
◇霧の中での運転
・視界が悪くなっているのでスピードを落とし、できるだけ対向車線から距離をとるよう心がけてください。
・車間距離を十分にとってください。深い霧の中で走行中に前の車のテールライトが見える場合は、近づき過ぎです。
・ヘッドライトのロービームかフォグライトを昼夜にかかわらず常に使用してください。
・他の車の走行音が聞こえるよう、ラジオを消して、窓をすこし開けることをお勧めします。
・交差点に差しかかったら、十分に減速すると共に、早めに方向指示器を使用し、後ろの車へ次の行動を知らせましょう。
・霧が非常に濃い場合は、運転を続けるのではなく、路肩に駐車し、ハザードライトを点灯させてください。
◇強風の中での運転
・風にハンドルを取られるのを防ぐため、減速してください。
・トンネルや壁に囲まれた道路を抜ける時、またトラックやバスなどの大型車を追い越す時は、突風や横風に注意してください。
◇砂地での運転
・砂浜やぬかるんだ場所を走行する時は、タイヤをとられないように、一定の速さを保ってください。
・駆動力を向上させるために、タイヤの圧力を70~100KPI(キロパスカル)位になるまで空気を抜いてください。空気が少ない状態で急にハンドルを切って、ホイールが外れないよう注意してください。舗装道路に戻る前にタイヤの空気圧を元に戻してください。
・運転中は安定したアクセルコントロールを心がけ、タイヤが砂にはまった場合はすぐに停止し、状況を確認してください。深くはまり込めばそれだけ抜けにくくなります。
・四輪駆動の車では、可能であれば2速、または3速などの高速ギアを使用してください。
・砂丘の頂上付近などで、反対側の状態がわからない場合は、頂上を走り抜けないよう心がけてください。
・砂地を運転する場合は、列になって走行したほうがよいでしょう。ウインチを搭載した車両が1台は必要です。