エアバッグに関する安全
乗車中の交通事故では、半数以上の人が前面からの衝撃によって死亡していると言われています。エアバッグは胸部や頭部への衝撃を最小限に抑えるために搭載されています。エアバックにより、ダッシュボードやハンドルに体の部分が直接衝突することを避け、衝撃を分散させることができます。
エアバッグ搭載車は1973年に初めて販売されました。エアバックは、従来のシートベルトの機能を補完する目的で開発され、1990年中ごろから、多くの新車両にエアバッグ機能が加えられています。下記はエアバッグをより効果的に利用するためのガイドラインです。
◇エアバッグに関して
エアバッグが安全性を向上させるか否かに関する統計は、誤解を招きやすく、エアバッグが原因とみられる事故がメディアに取り上げられ、エアバッグの安全性、信憑性に疑問が投げかけられています。
米国運輸省国家道路交通安全局は、1990年代以降、99人がエアバックが作動した際の衝撃によって死亡または負傷していると発表しています。
しかし、これらの事例は非常に稀であり、統計では、この同じ期間に180万のエアバックが作動しています。また、エアバック事故の犠牲者は子供が半数以上を占めており、助手席に設置されたチャイルドシートに着席していたり、金具が正しくとめられていなかったり、シートベルトを正しく着用せずに助手席に座っていました。したがって、子供を助手席に座らせることは避けるようお勧めします。
エアバッグの質はすべて同じという訳ではなく、中には質の悪い物もあります。安全性を確認する際は、下記の点に注意してください。
・エアバッグが横から出てくるか縦から出てくるか。
・どのくらいの速さで開くか。
・エアバッグを作動させるセンサーの感度。
・ハンドルが低めに設置され、エアバッグを動かすスペースがあるか。
・助手席に子供や体重の軽い人が乗っている場合、それを感知してエアバッグを停止する機能があるか。
・手動で、エアバッグのスイッチを切れるか。
上記の事故をふまえても、エアバッグが事故時の衝撃を和らげることは明確です。米国運輸省国家道路交通安全局は1998年だけでも、アメリカで1,263人がエアバックによって、死亡を免れたとしています。エアバッグは事故の衝撃を軽減しますが、シートベルトの代用ではありません。シートベルトは依然として、最も効果的な安全機能ですので、運転中は必ず着用してください。着用に際しては、腕の下や背中を通さず、正しく着用してください。
オン・オフ切り替えのできるエアバッグ
エアバッグが原因とみられる幼児の死亡事故を受けて、各メーカーは手動でエアバッグを無効にできるスイッチを導入しています。このスイッチは、古い車両にも設置することができます。不意にスイッチがオフになったりしないよう鍵がスイッチとなっています。車種によって異なりますが、エアバッグのスイッチがオフの場合、それを伝えるメッセージが点灯します。鍵をオンにするまでエアバッグはオフのままです。
◇その他
エアバッグは枕のようにやわらかい物ではなく、時速320キロでダッシュボードから飛び出します。ほとんどのエアバッグの事故はこれに起因しており、その結果、各メーカーはエアバッグの膨張する衝撃を30パーセント軽減しています。エアバッグの中心部分と胸骨の位置が一致するように座り、席を後まで下げることをお勧めします。
古いタイプのエアバッグは膨張のために毒性の化学薬品を使用していますが、化学薬品は密封されているため、健康や環境上の害はないとされています。
北アメリカでは、非公認の整備士が偽のエアバッグを取り付けるケースが報告されています。警察は修理を受けた25台に1台に、偽のエアバッグが取り付けられているとしています。これは日本では問題となってはいませんが、ヨーロッパでは全土に広がることが懸念されています。
◇まとめ
さまざまな報道がありますが、エアバッグは安全性を向上させます。
・運転席、助手席共にエアバッグを搭載した車を運転してください。
・必ずシートべルトを着用してください。
・子供は後ろの座席に座らせてください。
・助手席に座る場合は座席を後まで下げて、できるだけダッシュボードから距離を置いてください。