疲労時の運転
車の安全性能の向上にも関わらず、交通事故件数は増加傾向にあります。薬物またはアルコールの影響下の運転の危険性は広く知られていますが、疲労時の運転は軽視されがちです。およそ20パーセントの事故は居眠りに起因すると言われています。
たとえ運転者にしっかり運転の意志があり、また、職業的に運転する必要があっても、疲労は、体を休める必要があるという生理的な警告です。最近の調査で、長時間睡眠を取らずに運転した場合、飲酒運転と同じような状態になるということが分かっています。疲労は、注意力を散漫にし、反応を鈍らせます。
◇どのような人が危険な状態にあるか?
・最近の調査によると、25歳以下の男性は活動的なことから、最も居眠り運転をする危険が大きいとの報告があります。
・ストレスの多い人や仕事量の多い人。
・運転時にストレスのたまっている人や怒っている人、もしくは何か考え事をしている人。
・睡眠不足の人(最低7時間寝ていない)。
・最近の研究によると、肥満気味でいびきをかき、高血圧で、朝、眠気を感じる人々は、居眠り運転の危険があるとされています。
・不定期に夜勤をする人も、体内時計が調整できないことから、居眠り運転をする危険があります。
◇疲労運転者の兆候
・居眠り運転の初期症状として、車線をフラフラと変更する。
・目的地に到着する直前の2~3分前のことを覚えていない。
・高速道路の出口を見逃す。
・まぶたが徐々に閉じる。
・スピードの変化。
・あくびを繰り返す。
◇危険を避けるために
・十分に睡眠をとった時だけ運転しましょう。
・午前1時から5時の間は、体を休める時間帯なので、運転は避けましょう。事故が最も起こる時間帯は午後7時から午前1時です。他の運転者が眠気を感じる時間である、夜間、早朝を避けることでさらに危険を軽減できます。
・車に荷物を積み込む場合は前日に行い、夜間は車を安全な場所に駐車してください。
・運転前のアルコールの摂取や、その他眠気を誘う薬を服用することは避けましょう。
・日中に眠気を感じることが多い場合は、医師に相談してください。
・運転前にたくさんの食事を取ることや、ホットミルクなど、眠気を誘うと言われるものの摂取は避けてください。
・他に運転できる人がいれば運転の交代を考慮し、それに見合った保険に加入してください。
疲労時に運転をしなければならない場合に、眠気を一時的に軽減する可能性のある方法はたくさんあります。しかし、完全に眠気を取り去るには、睡眠が必要です。以下の方法は、眠気を完全に取る方法ではなく、一時的なものであることに留意してください。
・窓を開けて、換気をしてください。その他にも、エアコンのスイッチを入れ、顔に向けて吹き付けるのも効果的です。
・ラジオ、または音楽をかけてください。
・パーキングエリアに駐車し、短い休憩を取ってください。少なくとも2時間毎、もしくは200キロ毎に休憩を取るか、運転を交代してください。
・コーヒーなどカフェインを含むものを飲んでください。
・目的地までの到着時間などを計算するなどして、頭を常に働かせましょう。
・一点ばかり見つめず、周りをよく見渡して目を運動させるようにしましょう。
薬を服用すると、市販薬でも眠気を誘うことがあります。上記のような状況に重なると、更なる危険を招きます。