運転時の携帯電話使用に関する注意
自動車運転中の携帯電話の使用は交通事故につながり、危険であると認識されてきています。運転中の不注意が交通事故の主な原因だと言われています。多くの国で、ハンズフリーキットを使っている場合以外、運転中の携帯電話の使用が禁止されています。日本では2004年11月1日、道路交通法が改正され、自動車およびバイクの運転中の携帯電話の使用に対しても罰金が課せられるようになりました。携帯電話での通話のみでなく、インターネットやメールの送信も罰則の対象となっています。2005年2月17日に発表された警視庁からの報告では、道交法の改正以来の2カ月で同違反の摘発件数は5万件を超え、携帯電話使用による交通事故は一昨年の同時期に比べて約半減したとのことです。
ハンズフリーキットは、完全な解決方法ではないものの、交通事故の可能性を軽減できるとして使用が勧められています。いくつかの研究で、運転時に携帯電話を使用した際のドライバーの反応は、通常の3~4倍遅くなるとの結果が出ています。
アメリカ合衆国にあるハーバード危険分析センターによると、携帯電話の使用中に起きた事故により、およそ2,600人が死亡し、33万人の重傷者と24万人の軽傷者が出ています。また、150万件もの物損事故が起きていると報告されています。アメリカで発生する自動車事故の6パーセントが携帯電話使用が原因であるといわれています。
イギリスで行なわれた調査によると、63パーセントのドライバーが、運転時の携帯電話使用により運転がおそろかになっているドライバーを目撃した事があると回答しており、66パーセントのドライバーが、運転時の携帯電話使用は運転能力を劣らせると認識している事が判明しました。
日本損害保険協会は、携帯電話を保有し、日頃から自動車を運転する20~50代の男女600名(東名阪、各地域200名)を対象に運転中の携帯電話使用に関する調査を行いました。その結果、運転中に電話がかかってきた場合の行動として、「絶対にとらない」と回答したドライバーはわずか27.3パーセントでした。日頃から運転する機会が多い人ほど、電話に出てしまうという傾向も明らかになりました。
◇運転中の携帯電話使用についてのアドバイス
・運転時の携帯電話使用の法律は国により異なります。
・ハンズフリーキットを使用してください。ハンズフリーキットを使用すれば、運転中の集中力を保つことができます。
・電話に出る場合、掛ける場合には安全な場所に車を停車してください。
・緊急事態であっても電話に出る場合や掛ける場合にはなるべく通話を短くし、車が停車するまで、電話の使用は控えてください。
・もし運転中に電話が鳴っても出ずに、車を止めた後に、留守番電話や着信履歴などを確認して、掛けなおしてください。
・携帯電話を使用する際は、道路の安全な場所に車を止めるか、他の同乗者に代わりに電話に出てもらうのが理想です。ハンズフリーキットも完璧とは言えず、運転の妨げになる可能性があります。