家庭での一酸化炭素中毒
暖房器具は、屋内での死亡や怪我の主要な原因です。一酸化炭素は無色無臭で、液体および固形燃料の不完全燃焼、またガス、石炭、木、石油、灯油などを使用する暖房器具からも発生します。
一酸化炭素を吸引した場合、血液中の酸素が減少し、呼吸困難を引き起こします。その死亡率は30パーセントであると言われています。日本ガス協会によると、一酸化炭素中毒は、都市ガスの事故のうち半数を占めており、過去10年間で300人以上が死亡しています。また、イギリスでは一酸化炭素中毒により、年間50人以上の死亡が報告されており、乳幼児、高齢者また悪質な造りのアパートに住む学生などが犠牲となっています。一酸化炭素は無色無臭で感知が難しいことにより、事態を悪化させています。
◇一酸化炭素中毒の危険を減少させるために
・暖房器具、ガス器具、湯沸かし器などはまめに掃除をし、専門家による点検を定期的(最低でも一年に一度)に行なってください。
・ガスの給排気筒に穴があいている、ゴミが詰まっている、また給排気筒が途中から細くなっているものは危険です。
・ガスの給気口をふさがないようにしてください。
・屋内に設置してあるガス機器の周りに物を置いたり、板などで囲まないようにしてください。
・ガス機器は指定されたガスを使用し、またその他の暖房器具などには指定以外の燃料を使用しないでください。
・しっかり着火されていることを確認してください。
・青色の炎で燃えているか確認してください。
・ガスの使用後は元栓を閉めてください。
・ガス、石油ストーブ、七輪などを使用する際は、換気を十分に行なってください。
・安全基準を満たす商品を購入してください。中古品を購入する場合は、安全性の点検がしっかり行なわれた物を選んでください。説明書を読み、取り扱いについて熟知してください。
・使用中は、暖房器具を動かさないようにしてください。
・一酸化炭素検知器の設置をお勧めします。ガス漏れ、一酸化炭素その他を検知する複合型の機種もあります。設置を検討する際は、検知器専門店、または最寄のガス会社に相談してください。
◇一酸化炭素の兆候
・コンロや湯沸かし器の火がオレンジまたは黄色の場合は、一酸化炭素が放出されている可能性があります。
・暖房器具のよごれやすす、変色は危険信号です。
・一酸化炭素は無臭であるものの、暖房およびガス器具が正常に動いていない場合、異臭を発することがあります。
・石炭や木の火がゆっくり燃える、もしくは消えてしまう。
・暖炉を使用時、煙が部屋に充満する場合は、煙突が詰まっている証拠です。
◇一酸化炭素中毒の症状
一酸化炭素中毒の症状を風邪によるものと誤って判断する人は多く、医師による誤診の場合もあります。一酸化炭素中毒は最悪の場合、死に至ります。一酸化炭素中毒の症状は以下を含みます。
・疲労
・頭痛
・吐き気
・目まい
・呼吸困難
◇一酸化炭素が発生している恐れのある場合
・ガス器具や暖房器具を止めてください。
・窓を開け、換気が十分にできるまでは、たばこを吸ったり、電化製品の電源を入れたりしないでください。
・外が寒くても、窓とドアを開けてください。
・ガス会社や消防署などに連絡を取り、問題の詳細を報告してください。
・もし、頭痛、めまい、吐き気などの症状がある場合は、速やかに医師の診察を受けてください。